はじまりの町ギムダ。
門をくぐった途端、人いきれにむっとした。気がした。
どこを向いても人、人、人。しかもみんな冒険者! ファンタジーな格好をした人ばかり。実生活であんなシースルー着てたらつかまるし、そもそも武器なんか装備してたら、銃刀法違反だ。
だけどリングワールドにそんな法律はないのだった。万歳!
「すごいーーー!!」
まるで夢のようだった。映画の中に入ったみたい。
自分も、武闘家の格好をしてるんだけどね。
顔かたちがどんなのかはまだ確認してないけど、だいたい自分に似たキャラクター像を選択肢の中から選ばされるから、そんな「美形にヘーンシン☆」してるわけじゃない。
それはともかく、装備だ。「旅立ちの服」なんて着てるのは自分くらいじゃなかろうか!? リンダ・リングを初期に始めた人はもうプレイ時間がかなりたっているはず。私は遅れてきたプレイヤーだから、初心者丸出しかも。
「さっさと装備変えたいよー。ねぇバッチョ、武器屋はどこ?」
「待ち合わせしてるんじゃなかったんですかぁー?」
「してるけど。だって、旅立ちの服なんて着てる人いないじゃん」
「みなさん『あらあの子初心者だわ』『プッ、くすくす、間抜けな顔』って笑うくらいですよ、気にすることありませんよ」
「気にするわぁぁ!!」
しかし、やなハチだ……。
さっさとお金を使い尽くすのもなんだし、いい店を教えてもらえるかも知れないし、やっぱり先に待ち合わせの場所に行くことにした。 |